最近、メールで簡易裁判所判事選考についてのメールが来ていました。
あまり話題にのぼらない簡裁判事のお話。
簡易裁判所の裁判官
簡易裁判所の裁判官、簡裁判事、もっと略して簡判(かんぱん)と呼んでいます。
最高裁のホームページでも「令和5年度簡易裁判所判事候補者選考について」が掲載されていました。
簡裁判事は、
高等裁判所長官若しくは判事の職に在った者又は、
判事補
検察官
弁護士
裁判所調査官、裁判所事務官、司法研修所教官、裁判所職員総合研修所教官、
法務事務官又は法務教官
がなることができます。通算三年以上は在職していないといけません。
それ以外にも、
多年司法事務にたずさわり、その他簡易裁判所判事の職務に必要な学識経験のある者は、前条第一項に掲げる者に該当しないときでも、簡易裁判所判事選考委員会の選考を経て、簡易裁判所判事に任命されることができる。
と書かれています。
簡判=元書記官、というわけでもない。
昔?はわりと簡判=元書記官
という感じでしたが、最近は、元判事です、という人が多い気がします。
判事というのは裁判官のことです。
私がいた簡裁では、簡判は全員元判事でした。
判事を定年まで勤めて簡判になりました、という人や、
判事はもう嫌だから早期退官して簡判になった、という元高裁判事もいました。
もう高裁は嫌だったみたいです。
現役判事だったころに、地裁の支部に異動を打診されて、
「良いです!それで良いです!」
と言ったとか。そんなに嫌だったんだ…
なので、簡判=元書記官
ではなくなってきています。
実際、元検察官から簡裁判事になった人もいました。
ちなみに、簡裁のトップは元判事でなければなりません。
司法行政事務掌握者とか司法行政事務掌理者…みたいな呼び方があったのですが、正確な呼び方を忘れてしまいました…
でも裁判官であることに変わりはありませんよ。
地裁では、その部の一番偉い人のことは「部長」と呼んでいましたが、簡裁での一番偉い裁判官は
上席裁判官と呼ばれていました。
なので呼び方は「上席」です。
簡裁判事になるには
簡裁判事になるには、簡易裁判所判事推薦委員会から推薦されないといけません。
推薦をされた人が試験を受けることができます。
(゜д゜)彡そう!
簡判になるにも試験が必要です。
筆記試験と面接試験です。
いつだって試験です。
第一次選考の憲法、民法、刑法、民訴法、刑訴法の筆記試験と、
第二次選考の面接(法律問題と身上)
があります。
判事とどう違うの?
簡裁判事はもちろん簡裁でしか働けません。
でも、接していて判事との違いはあまり感じませんでした。人柄という意味でね。
簡裁は扱える事件がある程度決まっているので、国家賠償などの難しい事件は地方裁判所に送っちゃいます。
だから、とっても難しい事件は扱いません。
とはいえ、判断を下す、という点では判事と何ら変わらないと思います。
私は判事ではないので心中は分かりませんが、接していて、判事と簡裁判事と違いはあまりない気がします。
元書記官の簡裁判事のほうが、書記官の仕事を知っているから元書記官の方がいい!
と言っている人もいましたが、判事でもいい人はたくさんいますし、
書記官の仕事を知っているからと言って必ずしも仕事がやりやすい訳ではない。人柄次第。
書記官の仕事が分からなくてもコミュニケーション次第で上手く仕事はやっていけるので、そこは関係ない気がします。
最後に
簡裁で働いていたとき、傍聴席にいた弁護士が、
「簡裁の裁判官は元書記官なので~」
と当事者に話していました。
でも、当時の担当の簡裁判事は、元高裁判事だったので、
「全員がそうでもないんだけどなぁ」と思ったことを思い出しました。
最近は、元判事がなることも多くなっています。
書記官が簡裁判事になるのは難しくなっているのかもしれません。
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