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この春から法学部生になったあなたへ

ご入学おめでとうございます。これから法律を学ぶみなさんへ、最初に一つ大事なことをお伝えします。

〇〇総論は基礎編ではない。

法学部1年生の学習方法
目次

「総論=基礎編」という誤解

冒頭でいきなりですが、これだけは覚えておいてください。

憲法の人権編は基礎編ではない。
民法総論は基礎編ではない。
刑法総論は基礎編ではない。

総論と聞くと「やさしい内容で、各論になると難しくなっていくのかな」と感じるかもしれません。高校までの授業は進級するにしたがって難しくなっていく形でしたが、大学の授業はもう最初から難しいのです。

大学によっては「民法Ⅰ、民法Ⅱ、民法Ⅲ…」というような授業名がついていますが、決してレベル1・レベル2・レベル3というわけではありません。数学Ⅰ→数学Ⅱのような積み上げ式ではないのです。

たとえば憲法の条文は「人権編(国民の権利・義務)」と「統治機構編(国会や内閣)」に大きく分かれています。この二つはそれぞれ独立した性格なので、勉強する内容もかなり違います。

また民法総論・刑法総論では、信義誠実の原則や罪刑法定主義といった基本的な考え方とともに、その法律の中で共通に使う定義や概念を学びます。これが抽象度が高くてわかりにくい。つまり、総論はそのあとに続く各論の「導入編」ではないのです。

どうやって勉強するか

判例を中心に学ぶ

法律は学説がたくさんあり、「判例はこうです。でも、この判例にはこういう問題点があり…」と、答えがあるようで無い世界です。そのため「この考え方もあの考え方も面白い!」という人には楽しいかもしれませんが、「つまりどういうことだってばよ」という人にはツラいかもしれません。

そういう人には、まず判例をもとに勉強していく方法がおすすめです。判例という一つの「答え」があるので、学習の軸が定まります。実務や裁判所の内部試験でも、判例第一で運用されています。実際、判例や裁判例を見てみると、総論で学習する部分の使われ方がよくわかります。

私自身、伊藤真先生の入門書を手にして、その分かりやすさに驚きました。大学の授業はひたすら学説を学んでいた印象だったので、判例に重きが置かれている本は新鮮でした。

公務員試験の勉強を始めたときにも「判例しか勉強しないの!?」と驚いたものです。判例を基本として勉強していく中で、「法律ってこうだったんだ」と理解し始めました。裁判所書記官になるための試験で論文が少しずつ書けるようになると、「法律って面白いなあ」と感じるようになりました。

入門書・法学入門の授業を活用する

大学によっては、法律学を学ぶための基礎知識や学習の進め方を教えてくれる講義が開講されていることがあります。たとえば、立命館大学法学部の「法律リテラシー」や、早稲田大学法学部の「法学入門」などがその代表例です。

法学入門系の授業では法律の基本的な考え方や法律用語の読み解き方を体系的に学べるため、1年生のうちに受講しておくと、その後の専門科目への理解がぐっとスムーズになります。

もし自分の大学にこうした授業が開講されていれば、ぜひ積極的に履修してみましょう。教科書が難しいと感じたときは、市販の入門書を並行して読むのも有効です。

法学入門系の授業が開講されていない場合や内容を事前に予習したい場合には、伊藤真の民法入門 講義再現版/伊藤真を購入するのもアリです。私自身、大学3年生で民法の討論系のゼミに入りましたがまったくついていけず、初めて学部指定ではないの法律の本を買いました。

伊藤先生の本に分かりやすさに驚きました。

ゼミに入る段階で入門書を買う私。

YouTube上の法学入門系の解説動画を活用するのもおすすめです。法律の全体像をつかんでおくことで、個別の授業の内容が頭に入りやすくなります。

法律を身近に感じるには

裁判の傍聴に行ってみよう

法廷は、普段は目に見えない法律がむき出しになる場所です。これこそ法律を身近に感じる一番手っ取り早い手段です。

法律を学び始めたからといって法廷のやり取りが全部わかるわけではありませんが、いかに入学当初のやる気を維持したまま学年を上げていくかが大事です。やる気のあるうちに傍聴に行ってみると、今後の学習意欲が維持されたり、進路の視野も広がると思います。

傍聴ってどうやって行けばいいの?と言う疑問にはコチラでお答えしています。

元・法学部生の声

ここで、法学部生だった人の声をご紹介します。

「私は1年生のときには、『法律学を勉強しよう!検察事務官になれたらいいな』と思っていました。地検特捜部が押収資料を段ボールで運び出すでしょ。ああいう仕事をやってみたかったんです。でも、大学の授業の訳の分からなさに、早々にやる気をなくしました。おかげで、2年生以降の法律学授業は消化試合でした。」

民法のキャッチフレーズは「一番身近な法律!」。だけど、普通の大学生にはあまり身近じゃないですよね。むしろ、殺人罪!正当防衛!緊急避難!たぬき・むじな事件!のほうが面白いという人も多いと思います(ちなみに「たぬき・むじな事件」「もま・むささび事件」は実際に有名な刑事判例です)。

労働法やアルバイト代未払いといった、日常生活に直結したテーマのほうが実感がわきやすいという意見もよくわかります。興味の入口は人それぞれです。

まとめ:せっかく入った法学部、楽しく学ぼう

これから、みなさんは多くの法律用語に四苦八苦することでしょう。法学部が向いていないと感じても、それはその科目が向いていない・興味がないというだけかもしれません。刑法は苦手だけど民法は面白い、そういうこともあります。

せっかく興味を持って法学部に入ったのですから、興味のある授業を聴講してみたり、2年生の授業に潜り込んでみても良いかもしれません。1年生は一般教養の授業も重なって大変かもしれませんが、諦めずにいろいろ試してみてほしいと思います。そして、自分が面白いと思える法律を見つけてほしいです。

最後に一つだけ。

私のように1年生から法律系の単位を落とさないよう、気をつけましょう。

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