裁判所では、当事者に郵便物を送るときに郵便切手を使っています。
ぺたぺたぺたぺた…
今でも切手を使っています。
以前、デジタル人材の話を話をしたときに、裁判所は紙だらけ!あとハンコ!と言いましたが、もう一つあります。
それが、郵便切手です。
郵便切手は、郵券(ゆうけん)と呼んでいます。
えっ?後納郵便じゃないの?と思うかもしれません。
刑事部は後納郵便で送っています。刑事でも手続きによっては使いますが、基本的に後納郵便です。
つまり裁判所負担です。
一方、民事事件や家事事件は、原告(申立人)から、申立ての際に郵便切手を出してもらっています。
なので、民事と家事は、郵便料金は当事者負担ということになります。
更に、提出してもらう郵便切手の内訳が細かく決まっています。
特別送達で送ったり普通郵便で送ったり書留で送ったり…いろいろな形での送り方をするからです。
しかし、地裁の民事事件の場合は、保管金という形で郵便料金を払うことで、郵便切手を出さなくても良くなっています。
分かりやすく言うと、振込です。
郵便切手分のお金を振り込んで、裁判所がそのお金を使って郵便を出す、ということになっています。
郵便切手は使いません。
ちなみに、余った郵便切手は返還されますが、このご時世、郵便切手って使わないんですよね。
だから、「郵便切手のまま返還されても困る」という方もたまにいます。
気持ちはとっっっってもわかります。
でも郵便切手でしか返しようがないのです…( ;∀;)ユルシテ・・・
書記官は郵便切手の管理もしています。
簡裁と家裁は保管金が使えないので、郵便切手が必須になっています。
そして、郵便切手はお金と同じなので、何を発送したのか、いくら使ったのか、残額はいくらか、というのを管理しています。
そして、異動先で自分が担当する事件の郵便切手は、全件数えることになっています。
阿 鼻 叫 喚
件数が多ければ多いほどめちゃくちゃ大変です。
いや、あの、お金なので厳重に管理しないといけないのは分かります。
が。
異動したばかりで物品の場所も満足に分からない来たばかりの部屋で雰囲気にも慣れないし事件のことを把握するだけでも大変なのに把握してない事件の問い合わせの電話もあってそれに対応しないといけないし容赦なく裁判の期日は始まるし調書も作らないといけないし新しい事件はどんどん来るしとてもじゃないけど郵便切手なんて数えてる暇なんてないけど数えて上司に報告しないといけないから残業するしかねぇ!郵便切手のために!!!!
お金だからね!!!!!えーん( ノД`)シクシク…
損傷郵券の取り扱い
損傷郵券(そんしょうゆうけん)と読みます。
これは、切手の表面が少し削れてたり、絵柄のところに切れ目が入っていたりするだけで使えない扱いになるものです。
?????(゜Д゜)
それを聞いて、こんな顔になりません??
私はなりました。
ちょっと削れてるだけです。
数字に傷がついているわけでもありません。
切れ目がちょっと入っているだけです。
破れて一部がなくなってるわけでもないんです。
なのに使えない扱いにするってどういうこと????
それって、当事者にとって一番迷惑だと思うんだけどなぁ…
それに、配達する郵便局員、全然気にしてないと思うんだけどなぁ…
でも郵便法に書いてあるんですよ。
(無効な切手類)
第三十条 汚染し、若しくはき損された郵便切手又は料額印面の汚染し、若しくはき損された郵便葉書若しくは郵便書簡は、これを無効とする。
一応こうなっているのですが、今までそういう郵便切手で発送しても戻ってきたことないですよ…
たくさんの郵便物に揉まれて、切手に傷が付くなんてよくあることだと思うんですよね。
裁判所ではそういうことになっているのです。
いつからそうなったのか分かりません。
でも、これって職員からもひじょーーに不評です。
職員は、使えない郵便切手がありますよ、と当事者に連絡しないといけないし、
当事者は、大して傷が付いていないのに使えない郵便切手として扱われるし。
これ、だれも幸せにならないよね。
しかし、どうやら、
欠けた部分が実は消印されていて、それを誤魔化そうとしているのではないか
ということが理由で、使えないことになっているようです。
そう言われてしまうとぐうの音も出ないというか、納得せざるを得ないというか…(-ω-;)
でも、単に切れ目が入ってるのって消印を誤魔化しようがないと思うんだけどなぁ?
郵便切手の管理はなくなってほしい
今後は、IT化に伴って郵便切手の管理がなくなるといいなぁ。
ゼロにはならないとしても、今より格段に減ることを期待したいです(切実)
こんなこと書いてたら書記官なんてなってもらえないぞ…
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