そろそろ今年も終わりますね。今回は、裁判所の年末年始のお話です。忙しいです。特に年末はもれなく忙しいです!

裁判所の年末は忙しい
裁判所は基本的に12月28日まで開いていて、お休みは12月29日からになります。もし28日が土日に重なっている場合は28日はお休みです。
民事や家事の受付をする係だと、「今年中に申立てしておきたい!」という人がかなり来て、受付は混雑します。年末が近づくにつれてその傾向はどんどん強まり、12月の後半は特に窓口が賑わいます。
刑事の受付だと、勾留期間の満了日が年末年始に引っかかる場合は年末で起訴することが多いので、起訴がめちゃめちゃ多いです。最終日の裁判所は気合を入れて仕事します。残業もします。
年末に来た起訴状・訴状・申立書が配布されるのは年始最初の開庁日になります。そのため、年始の初日はいきなり大量の書類が待ち受けていることになります。
事件部だと、以下のような要望があります。
- 年内に審理を進めておきたい!
- 第1回で結審するような事件は年を越す前に判決出してほしい!
- なんならその日に判決も出してほしい!
期日がぎゅうぎゅうに入るようになり、年末に向けてスケジュールが詰め詰めになるのは珍しくありません。
特に、「勾留されているけど、事案的に執行猶予が付きそうな事件」の場合は、「年を越してしまうと、そのぶん勾留され続けることになるので、判決を出してもらって釈放してほしい」という事情があります。被告人にとっても弁護人にとっても、年末は重要な節目なのです。
ほかにも、「年末年始は家で過ごしたいから保釈して!」なんて要望もあります。「年末年始は家で過ごしたいから保釈してほしい」と、保釈請求書に実際に書いてあることがあります。なので、年末の保釈請求も多いです。家族と過ごしたいという気持ちは自然なことですが、それが書面に書かれているのはなかなか印象的です。
刑事の事件部は、法廷がみっちり入っていたり、仮に入っていなくても保釈請求の処理などで結構忙しいです。年末は気持ち的にも慌ただしく、なかなか落ち着いて仕事できない雰囲気があります。
今年最後の出勤日:御用納め
ごようおさめ、と読みます。裁判所は基本的12月28日が最終日なので御用納めといいます。ほかの公官庁でも御用納め呼んでいるらしいです。
以前は「部屋飲み(へやのみ)」というものが行われていました。部屋飲みとは、「仕事終わりに、執務室で飲み会をすること」です。これは、忘年会とはまた別の飲み会です。12月28日の終業時間以降に、各々の部で飲み会をしていました。普段は静かな執務室が、その日だけは少しにぎやかになっていました。
めっちゃめちゃ忙しいと言っているのに、飲み会するヒマはあったの?と思われるかもしれませんが、仕事が終わった人から飲み会をやって、仕事が終わっていない人は仕事をして、仕事が終わったら途中から参加する、という感じです。
部屋飲みの場所はだいたい裁判官室で行うことが多かったです。書記官は書記官室で仕事、裁判官室では飲み会。仕事が残っている裁判官はというと、飲み会をやっている部屋で仕事をすることになります。
事務官ひよこ仕事と飲み会が同時進行するという、なかなかカオスな光景です。
今は、執務室でお酒飲むことは禁止されています。というか、忘年会やったのにまだ飲み会するんかい!と思います。正直、部屋飲みが禁止されてよかったなと思うわたし。
昔は最終日の午後に酒盛り
私は経験していない昔の話なのですが、12月28日の最終日の午後には、「すこしずつ酒盛りを開始していた」とか、「所長がお酒持って挨拶まわりをしていた」とか、そういう話を聞いたことがあります。
お酒を飲んで赤くなった顔で窓口に出ていたとか。今なら絶対怒られるやつ!
今となっては考えられないような光景ですが、当時はそれが当たり前だったのかもしれません。
裁判所の年始も忙しい:御用始め
裁判所は年始最初の平日から仕事が始まります。御用始め(ごようはじめ)と言います。ごようはじめ。
御用始めといっても、特別になにかするわけではなく、「明けましておめでとうございます。」と言って、普段通りに仕事を始めます。年始初めての平日なので、休みの間に出されて溜めに溜められていた郵便がどっさり来ます。訴状・起訴状・申立書が山のように来ます。
ゆっくり仕事を始める、なんて余裕はなく、全力で仕事を始めます。受付は年始から全力でおしごと!!!



年始から全力疾走!
一方で、事件部は初日から期日を入れることは基本ありません。弁護士事務所もまだ仕事始まっていないこともあります。そういう意味では、事件部はそこまで忙しくないことが多いです。期日も入っていないので、年始は休暇を取りやすく、休むという人もいます。
忙しいのは、事件の受付をする係かもしれません。あとは、配布された事件を処理する裁判所事務官。年始早々フル稼働というのが毎年の恒例になっています。
昔は綺麗な着物を着て酒盛り
ここでも小耳に挟んだ昔話なのですが、年始の初日も酒盛りをしていたそうです。女性は綺麗な着物を着て来て挨拶まわりをしていたとか。
酒盛りについてはまったく羨ましくないけど、余裕があるのは羨ましいなぁと思います。年始はもうすこしゆっくり仕事したいです。エンジンかかるのに時間がかかります。
年末年始の当直
年末年始で世間はお休みモードでも、日直も宿直もあるよ!な裁判所もあります。日直や宿直についてはコチラ☆
年末年始やゴールデンウィークなどの日直・宿直は公募制なのですが、これが結構人気。年末年始はどこも行かないし予定もないし、という人が応募します。私も年末年始はどこにも行かない人間ですが、休みたいので応募はしたことありません。
勾留の期限が来るから勾留日数を延長してほしいという請求(勾留延長請求)は通常は平日に来るのですが、年末年始やゴールデンウィークなどの長い休みに勾留の期限が引っかかるときは、休日にも請求が来ます。それを処理するのは当直員になるので、普段より仕事が増えます。世間が休んでいる間も、法律上の手続きは止まらないのです。
年末に当直をやったことがある人に、「年越しそばとか食べるんですか?」と聞くと、「いや~、そんなヒマなかったなぁ」という答えが返ってきました。年越しの瞬間も仕事をしているなんて、なかなかハードですね。



特に年末は結構忙しいみたいですが、宿日直の忙しさは「その日による」としか言えないんですよね。
一方で、年始は年末ほど忙しくないという話も聞きます。令状や勾留請求数は、やはり少ないみたいです。年末に仕事をやり切って年始を迎えるので、年始の仕事は少ないのかもしれません。当直員にとっては、年始のほうが少しだけ静かな時間を過ごせるのかもしれないですね。
終わりに
みなさんよいお年をお迎えください。よいお年をお迎えたいから、今年中に申立てをしたり、判決を出してもらうのでしょう。裁判所の忙しさの裏には、そういった人々の「今年中に」という想いがあることを改めて感じます。なかの人はいつも通り出勤してきま~す( ;∀;)








コメント
コメント一覧 (2件)
私も以前、裁判所にお世話になっていました(変な意味じゃない方です)。
執務室での酒盛りは有名でしたね。
また、裁判官なんて28日の昼間からランチでお酒飲んでいた人もチラホラ・・・。
そんな内情を知っていると、こんなブログは懐かしく感じます。
コメントありがとうございます。
裁判官は昼間のランチからお酒飲んでいたんですね!知りませんでした!
懐かしく感じて頂けて嬉しいです(^^♪
これからもよろしくお願いします。