以前、裁判所書記官ってどうやってなるの?という記事を書きました。
この記事では試験の種類や流れを解説しましたが、今回は、私の書記官任官試験の勉強についてのお話をします。
裁判所書記官任官試験
私が受けたのは、研修期間が3か月程度の裁判所書記官任官試験というものです。
スケジュール感はこんな感じ
一次試験 | 二次試験 | 三次試験 | ||
12月上旬 | 5月上旬 | 6月下旬~9月上旬 | ||
論文試験 | → | 口述試験 | → | 実務試験 |
これを見ると、
あれ?実務試験長くない?
と思うかもしれませんが、間違いではありません。三次試験の実務試験は、実質は研修です。
まどろっこしいけど、そういう位置づけです。
勉強会に参加しました
各裁判所では、試験に向けて勉強会が行われています。先輩事務官や、先輩書記官が幹事をしているので、どこからともなくお誘いがくると思います。勉強会で問題が出されるので、答案を作って提出すると、裁判官(正確には判事補)が添削して返却してくれます。
そこで一番良かった答案が模範解答として配られたり、裁判官が模範解答を作成してくれる裁判所もあります。勉強会で実際に論点について教えてくれたりもします。
新任判事補には、実はそんなお仕事もあるんですよ。どういう形式で勉強会をしてくれるかは、裁判所・裁判官次第です。
初めて勉強会に参加
初めて勉強会に参加したのは、採用されたばかりの4月頃でした。4月の勉強会は、「実際の試験のように時間を計って出題された問題を解く」という答案練習会という形式になっていたので、圧倒されたのを覚えています。
勉強会、とは?( ゚д゚)
というのも、入所試験試験が7月にあるからです。直前期ですね。
公務員試験が終わったあと、私はまったく勉強していなかったし、論文試験なんて初めてだったので、初めての答案作成で、解答用紙の4分の1くらいしか書けなかったのを覚えています。論文試験なんて、公務員試験の憲法の一行問題ぐらいしか勉強したことなかったので、何を書いたらいいか分からなかったです。
採用1年目のときはもちろん試験には受からず、そこから改めて勉強会に参加しました。
どのタイミングで勉強会が開催されるかは裁判所次第なのですが、私の時は11月とか12月とか、そのくらいだった気がします。
その勉強会は、
事前に問題が配布される
↓
資料を見ながら答案を作成
↓
締め切りまでに答案を提出
↓
勉強会当日に添削済みの答案と模範解答の配布、解説
という形でした。
でも、模範解答を見ても、解説をしてもらっても、それを論文にどう反映したらいいか分かりませんでした。だから、答案を作成しても、添削でツッコミが入る。
(´・ω・`)ショボン
3月頃になると、先ほど説明した答案練習会になりました。答案練習会は、実際の試験と同じような形で時間を計って行われます。
でもやっぱり書けないんですよねぇ。そこで、同じく勉強会に参加していた先輩に、
どうやって勉強したらいいですか?
と聞いたら、
論点をまるごと覚えるしかないね
という回答が帰って来ました。
c(`Д´と⌒c)つ彡 ヤダヤダ
という状態になり、せっかくもらったアドバイスも実践せず、論文は迷走していました。更に言うと、周りの書記官の仕事が結構大変そうだったので、書記官になりたいというモチベーションもかなり下がっていたんです。モチベーションも下がっていれば、勉強の質も下がりますよね。
そりゃ受かりませんわ。
試験に落ちた人には成績開示請求ができるのですが、3回目の試験の成績を見たのですが、その成績が2年目に受けたときの成績より悪くて、
やーめた!!( ノ゚Д゚)ノ⌒ポイ
受験をやめました。
勉強はやめたけど…
やーめた!!
勉強はすっぱりやめました。入所試験は2回受けず、任官試験も受けられるようになっていたのですが、受けませんでした。家に帰っても勉強しなくていいし休日も勉強せずに済んで良いなぁ~なんて思っていたのですが、事務官として働いているうちに、
もともと書記官になりたくて裁判所に入ったのになぁ。
このままだと、事務局勤務は確定だなぁ。
と思うようになりました。そして、このままだと受験しなかったことを後悔すると思い、勉強を再開しました。
勉強再開
勉強を再開しましたが、勉強会には参加せずに自分で勉強しました。勉強会に参加すると、勉強会の課題をやらなければならず、自分のやりたい科目に集中できなくなると思ったからです。
それに、私が目指した試験は1月に行われていた任官試験(現在は12月に実施)だったので、7月に行われる入所試験を前提として実施されている勉強会では、スケジュール感が合いませんでした。
もうひとつ、「勉強会に参加しない」、という方法が取れたのは、上司が持っていた勉強会の資料がとてもよかったからです。裁判官の模範解答が付いていて、論点の解説も分かりやすく、とてもいい資料でした。
問題を解く→解説を見る→論点を把握する→問題を解く以下エンドレス
もうひたすら論文を書きまくっていました。そうしているうちに、手を変え品を変え同じ論点を聞いてきているなぁと気づきました。分かるようになってくると、「こういうこと書いてほしいんやろ?(・∀・)ニヤニヤ」
という気分になってきます。以前先輩が言っていた、
論点をまるごと覚えるしかないね
というのはこういうことだったのか~と納得しました。「まるごと覚える」というのを、当時は「論点を暗記する」ことだと思っていましたが、論文を書きまくっていく中で自然と覚えていくものなんだな、と気付きました。
いまから思うと、受からなかった当時は、論文を書く量が圧倒的に少なかったんだなと思います。書き慣れてくると、導入はこうで、論点の流れはこうで、当てはめをして、結論…というように型が決まっていることにも気づきました。
気付くの遅いタイプです。
次回はいよいよ試験についてのお話です。
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