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裁判所事務官試験受験記

私が裁判所事務官を受けたときの体験をお話します。私が裁判所事務官試験を受けたのが20年近く前のことなので、今とは異なる部分があると思われます。それを前提にお読みください。

目次

裁判所事務官を受験しようとしたきっかけは?

私が学生だった頃、法律番組が多く放送されていて、「こういう理由でこういう結論になります」という理路整然と結論を導いていく法律を見て、法律って面白いなと思いました。実際に傍聴に行って、そこで裁判官という仕事に出会いました。

民事・刑事事件の傍聴をしていく中で、裁判所で働く裁判官になりたいと思いました。そう、私は最初、裁判官になりたかったんです。

実際に法学部法律学科に進学したのですが、民法総論での専門用語のあまりの意味の分からなさに「あ、これは無理だ」と早々に諦めたわけです。諦めが早い。

じゃあ裁判官は無理でも、裁判所で働くことはできないかと調べたところ、裁判所事務官という仕事を知りました。

各裁判所で行われている、受験希望者向けの説明会に参加したところ、「裁判所は人を大切にしている」「行ったことのない部署に行っても周りの人が教えてくれるから大丈夫」という話を聞いて、受験を決めました。

裁判所事務官試験の種類

当時は、裁判所事務官Ⅰ種・Ⅱ種・Ⅲ種と呼ばれており、私は裁判所事務官Ⅱ種を受験しました。現在は、裁判所事務官総合職(院卒・大卒)、裁判所事務官一般職(大卒)、裁判所事務官(高卒)となっています。

独学は考えておらず、予備校に通いました。伊藤塾です。法律学科の方なら一度は聞いたことがあるかもしれません。伊藤真先生が出されている本を1冊買って読んだら、大学指定の書籍とは比べ物にならないくらいわかりやすかったので、伊藤塾を選びました。

今考えると、大学指定の書籍は学術書ですから比較するものではないというのはわかります。大学の勉強って実務云々ではなく、学者の先生がいろんな説を細かく教えてくれていたんだなとわかりますが、当時は何を言っているのかさっぱりでした。

予備校の受験コース選び

私は裁判所事務官以外にあまり興味がなかったので、予備校の裁判所事務官専願コースを選びました。そのコースは、その名のとおり裁判所事務官で出される科目しか勉強しません。

当時の専門試験は、憲法・民法が必須、刑法と経済原論が選択でした。私は選択科目を経済原論ではなく刑法にしたので、もう完全に潰しが効かない状態でした。

つまり、ほかの公務員試験の科目はカバーできていない=併願が効かない状態になりました。

いま考えるとかなり危ない選択です。みなさんはマネしない方がいいです。

どうやって勉強したの?

大学3年の5月ごろから予備校通いを始めたのですが、授業自体はすでに3月から始まっていたので出遅れていました。未履修の授業が多く、追いつくのが大変でしたが、インターネットで過去の授業を必死に視聴して何とか追いつきました。ただ、追いつくことにいっぱいいっぱいで、なかなか復習ができませんでした。

勉強のやり方としては、授業を受けたら問題集を解くように言われていたので、それを守っていました。とにかく問題を解くことが重要です。専門科目は最低でも3周、何度やっても間違える問題は5周くらいやっていました。

数的処理との格闘

何よりも大変だったのは数的処理です。判断推理・数的推理・資料解釈、どれもできませんでした。私、算数できないんですよ、全然。

  • まず問題文が何を言ってるかわからない( ;∀;)
  • 日本語なのにわからない( ;∀;)
  • 資料を見ても何を言っているかわからない( ;∀;)
  • 授業中に問題を解く時間があっても手が動きもしない
  • 解説を聞いてもどうしてそう解くのかがわかりません

先生には「図形は、実際に自分で紙で作ってみると良い」とも言われ、時間はかかりましたが真面目に作ってみました。

また、「人間は、1日やらないと脳が1週間前の状態に後退する」という言葉が今でも忘れられません。科学的に本当かどうかはわかりません。

でも、「問題を解かなくてもいいから毎日数的処理に触れなさい」ということを言っていました。私はその言葉を真に受けて、時間がなくても眺めるだけでも、なるべく毎日触れるようにしました。

それでも全然できなくて、先生の前で泣きました。慰めてもらいましたよ、ええ。

裁判所事務官試験の数的処理は一般教養の中でも多くのウェイトを占めているので、捨てるに捨てられませんでした。捨てたら落ちる。

理系の生物や化学は1問しか出ないので対策が難しく、過去問と模試をこなすしかありませんでした。むしろ1問しか出ないので、他の問題集には手を出すのは悪手です。出題数の多い数的系・現代文・英語に時間を集中させました。

論文試験

教養科目

当時は教養科目と法律科目(憲法論文)がありましたが、現在は教養科目のみの小論文になっています。

当時、裁判所事務官試験の教養論文は出される時事問題が限られると言われていました。行政なら「どんな政策を作りたいか」「どんな街づくりをしたいか」など出しやすいテーマが多いけれど、裁判所は街づくりをするわけではないので、そういう問題は出しにくいとのことでした。

現在はどうかわかりませんので、情報を集める必要があります。私は、教養科目の論文担当の先生に個別に問題を出してもらって、答案を添削してもらっていました。自発的にどんどん問題を解いていくことが重要です。

法律科目(憲法論文)

憲法論文は、憲法をしっかり勉強していれば答えられます。ただ、第一志望が国家Ⅱ種(今の一般職[大卒区分])だと憲法をやっていない人もいるので、「はい書いてください」と言われても難しいですね。

私は専門試験が憲法・民法・刑法だけだったので、憲法に割ける時間は比較的多く、択一試験の勉強に時間を当てました。憲法の論文試験は「覚えたことを吐き出す試験」だったなと思います。

模擬試験

伊藤塾では模試を実施していないため、LECで2回受けました。時間配分や試験の雰囲気に慣れることが主な目的でしたが、ここでも数的処理の点数はぜんぜん良くなかったです。半分も取れていなかったと思います。

裁判所事務官試験:一次試験本番

当時は裁判所事務官試験はほかの試験より日程が後だった、事前にほかの試験をかなり受けました。国家Ⅰ種は「絶対受からないし時間の無駄」と思って受けませんでしたが、その他はほぼ毎週末どこかを受験していました。

受験した試験

  • 国立大学法人
  • 国税専門官
  • 労働基準監督官
  • 防衛省
  • 衆議院事務局職員
  • 参議院事務局職員
  • 国家Ⅱ種
  • 都庁
  • 特別区

これらぜーんぶ受けました。ぜーんぶ落ちました。

行政法や経済原論など、他の試験で必須の科目を一切やっていなかったので当然の結果です。

裁判所事務官試験本番での失敗

本命の裁判所事務官試験で、私、大失敗しました。教養試験の終了時間を10分ほど間違えたんですよね。あと10分あると思っていたら唐突な終了の鐘。

6問分のマークシートを埋めないまま教養試験が終了しました。

その後の専門試験と論文試験では全く引きずらずに受るという不思議現象もありましたが、帰り道で初めて、6問落としたことにめっちゃヘコみました。

裁判所事務官試験:一次試験合格

そんな大失敗をした一次試験ですが、なんと無事合格しました。教養試験は正直、足切りギリギリでしたが、刑法で2択まで絞った選択肢がことごとく正解していました。

論文試験の専門・教養ともに対策していたところが出たので、何とか合格ラインをクリアできました。本番、本当に何があるかわかりません。

苦手だった数的処理は半分取れました。問題集すら解けなかった頃と比べれば、見事な成長です。

裁判所事務官試験:面接試験

当時は裁判所事務官の面接は試験全体の配点の半分近くを占めていたため、非常に重要でした。半分近くを占める試験ってなかなかないと思います。人物重視の裁判所らしさが出ています。

半分とまでは言いませんが、現在はどこの試験も人物試験に重きをおくようになっていますね。

面接対策は、予備校で面接カードを添削してもらい、模擬面接を受けました。そこでみんなが苦しむのが志望動機です。「それ、裁判所じゃなくてもよくない?」というツッコミが必ず入るからです。

特に「法学部で法律を勉強したから」はほぼアウト。なので、そのツッコミが入らないように、志望動機はよ〜く考える必要があります。裁判所に入りたいと思ったのはなぜか、しつこく自問自答しましょう。第一志望だと特に答えが出やすいかもしれません。

私は志望動機がガッチガチに固まっていたので、面接模試でも本番でもツッコミは入りませんでした。

実際の面接では「司法試験を受験したことはあるか、今後受験する予定はあるか」を必ず聞かれると言われていましたし、実際に聞かれました。なお、実際の同期に司法試験受験者がいましたが、その人は合格して退職しました。

他に聞かれた(または聞かれると言われていた)内容としては、

  • 挫折したこと
  • ストレス発散方法
  • 大学での活動
  • 裁判部以外の仕事を知っているか
  • 傍聴や裁判所見学会の経験とその感想
  • 地方勤務への対応可否

などがありました。

どれだけ準備しても想定外のことは聞かれます。そのときは素直に答えるのが一番です。面接で嘘をついていなければ、筋の通った回答ができるのではないでしょうか。良くないのは嘘をついて答えがブレることですね。

裁判所事務官試験:最終合格

一次試験の足切りをギリギリ回避し、面接も無事に突破して最終合格しました。しかし、教養科目の6問未回答が響いたらしく、名簿順位は最後のほう。後ろから数えて5本の指に入るか入らないかくらいの下位でした。

でも当時は「最近は名簿が余ることはない」と聞いていたし、「違う管轄の高裁から名簿をもらった」という話も聞いていたので、採用されないという心配はしていませんでした。裁判所は官庁訪問はありません。高順位の人から内定と任地の電話がかかってきます。

私に採用の連絡があったのは3月のあたまです。卒業1か月前ですよ。

比較的高順位で合格した人で、任地に栃木を打診された人がいました。高順位でも、希望地の打診が来るとは限らないんですね。その人は断ったそうですが、その後「東京どうですか」と打診が来たそうです。私より先に。

断ったからといって名簿の一番最後に回されるわけではなさそうです。もちろん合格順位にもよると思います。私は、名簿の最後のほうだったにもかかわらず第2希望の任地で打診がありました(受けました)。

余談ですが、合格発表の後、8月ごろに説明会のようなものがありました。内定の電話がまだ来ていない人のために、同じ合格者と顔を合わせて話をしたり、心配なことがあれば質問できるといった会でした。そこに来る人は採用同期になりますし、実際に内定をもらって働いています。

内定後にもう一度面接があります

無事に内定が出たあと、もう一度面接があります。内定が決まった任地の地方裁判所での面接で、採用試験ほどの難しいことは聞かれませんでした。

和気あいあいとした雰囲気で、面接官と共通の話題があり、その話で盛り上がったのを覚えています。そのくらい難しいことは聞かれません。

余談ですが、この地裁での面接のときに金髪で来て怒られた人がいたらしいです。それでも採用されていましたが、面接は黒髪で行きましょうね。採用されたときはちゃんと黒髪に戻っていました。

裁判所で実際働いてみてどうだった?

実際に裁判所事務官として入ってみると、みなさんいろいろと教えてくれます。新人だからというのもありますが、午後5時になったら「5時になったから帰りな」と言って、帰宅を促してくれました。新人だと帰りにくいですもんね。

月に1回は有給をとるように言われたり、「今月はいつ休むの?」と聞いてくれました。

まとめ

以上、記憶あいまい受験記でした。

裁判所事務官一択に絞っていたので、落ちたらもう一年やるつもりでした。…が、受験勉強後半はモチベーションが下がってきて、やる気がない日があったりぼーっとする日が増えました。

「もう一年やると言ったけど、もう一年は無理そうだなぁ」と漠然と思いました。塾で知り合った人と話してストレス発散したりもしましたが、やる気がないものはない。最後は自分との闘いです。

選択科目が刑法だったので参考にならなかったかもしれませんが、この記事で、ちょっとでも元気になってもらえたら嬉しいです。

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