タイトルだけ見ると「なんぞや」と思うかもしれません。
句読点の「テン」とカンマです。
裁判所が気にしている、「テンとカンマについて」という、ちょっとマニアックなお話です。
テンとカンマってなんの話?
役所は、「公用文作成の考え方」に基づいて書類を作成しています。
「公用文作成の考え方」とは、送り仮名や数字の使い方が、それはそれは細かく書かれているもので、裁判所もそれに基づいています。
その中で、裁判所が一番気にしていることがあります。
それが、これ。
句点には「。」(マル)読点には「、」(テン)を用いることを原則とする。横書きでは
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/hokoku/93650001_01.html
読点に「,」(コンマ)を用いてもよい。ただし、一つの文書内でどちらかに統一する。
と書かれています。
実は、裁判所は作成する文書はすべて「、(テン)」ではなく「,(カンマ)」を使っています。
私も採用されたときは驚きました。
文章を作ったら、テンじゃなくてカンマだよ、と言われました。
裁判所のパソコンの設定はすべてカンマになるように設定されています。
ですが最近70年ぶりに「公用文作成の考え方」が新しくなり、横書きでも「、(テン)」を使うようにすると改められました。
ちなみに裁判所が作成している文書は「司法行政文書(しほうぎょうせいぶんしょ)」と言われるものなのですが、司法行政文書もこの「公用文作成の考え方」に基づいて文書を作成しています。
そこで問題になるのが、判決などの「裁判書(さいばんがき)」はどうするのか。
裁判書は司法行政文書ではないので、「公用文作成の考え方」が適用されるわけではないのですが、一般的な表記などは「公用文作成の考え方」に準じて作成されると思います。
そうであるなら当然カンマをテンにすると思うのですが、そうでもないらしい…
最高裁からも特に何のお達しもありません。
なので今のところカンマを使っていますが、今後どうなるんでしょう?
関係ない人にはまったくもってどうでもいい話なのですけどね…。
裁判所に限らず役所っていうのは、こういうどうでもいい細かいところも気にしているんですよって話でした。
個人的には「?」や「!」が使えるようになるのがイイネ!と思いました。
「?」や「!」が無いと、かたい感じがするんですよね(公文書なので当たり前かもしれませんが)。
解説や広報の文書など、どんな文書でも使えるわけではないのですが、「?」や「!」があるだけでも柔らかい感じになって、公文書も身近になるのかなぁと思います。
追記
裁判所ホームページの「最近の裁判例」が載っているのですが、最近の裁判例はテンになってますね。
これが以前のもの。
カンマになってますね。
今まではこれが通常でした。
それが、
直近ではテンになっていました。
やはり裁判書もテンになっていくんですね。
このように、ちゃんとカンマからテンに変わっていました。
ちなみに裁判所ホームページ内は、まだカンマがたくさん残っています( ´∀` )
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