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簡易裁判所の風景(民事)

簡易裁判所の法廷ってどんなイメージでしょう。傍聴したことあるという人はそんなに多くないと思います。

今回は、そんな簡裁の民事事件の法廷の様子を紹介します。

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目次

民事事件は慌ただしい

裁判というと、厳粛な雰囲気でひとつの事件をじっくり審理していくというイメージが多いのではないでしょうか。

民事事件でも、証人を呼んで話を聞くような審理をする場合は時間をかけますが、

基本的には、30分の間にいろいろな事件を10件ほど事件を入れて、どんどん処理していく、という形になります。

簡易裁判所だけでなく、地方裁判所も、民事事件の場合は、このような形態になっています。

事件の期日指定は、10時、10時30分、11時、11時30分というように30分刻みで期日指定をすることが多いと思います。

10時が一番多いです。

このように、同じ時間に何件も入れるので、地裁・簡裁に関わらず、事務官がいないとまわりません。

事務官さんありがとう_(._.)_

そして、期日を入れすぎるとめちゃめちゃ忙しくなります。

さきほど、30分の間に10件ほど事件を入れると言いましたが。10件入れたら入れすぎです。めっちゃ忙しい。

書記官は、その場で行われるやり取りをメモするので精一杯です。

法廷には、出頭カードがずらりと並べられていて、当事者は自分の出頭カードに名前を書きます。

特に午前10時には事件をたくさんいれるので、その分だけ人が法廷に入ってきます。

裁判はとても厳粛だ…と思われるかもしれませんが、

傍聴人入り口のドアの開閉は多いし、出頭カード書く人がウロウロしてたり、期日が始まってもどんどん人が入ってくるので落ち着きません。

厳粛さとは。

法廷の大きさにもよりますが、小さめの法廷だと傍聴席はほぼ満席で、ほぼ事件関係者です。

どんどん回していかないと10時30分の当事者も来ます。

言い方は悪いですが、もはや流れ作業です。

見てもらえれば、流れ作業感が分かると思います。

11時くらいになると、入っている期日も少なくなってくるので落ち着いてきます。

午後は、証拠調べをする事件を入れることが多いので、「ひとつの事件をじっくり審理する」という皆さんがイメージするような裁判が見られます。

訴訟代理人

訴訟の代理人、といえば、弁護士、と思われるかもしれませんが、簡裁の民事事件は弁護士だけでなく、

認定司法書士や、(許可をもらえば)家族や会社の従業員、代理人になれます。(許可代理人と呼んでいます)

これは簡裁民事独特の制度です。

会社が原告(被告)になっているときは、本人が出頭するとなると、代表取締役が来なければいけませんが、

訴訟になれば、法務担当とか、訴訟の内容を把握している従業員がいるので、そういう人を代理人として立てて訴訟の進行をしていきます。

そういうときに、代理人許可申請書を出して、裁判官が許可をすれば代理人として活動できます。

裁判の当日に申請書が出されることが多いので、裁判官が法廷で「代理を許可します」とかそういう文言を言うと、許可されたことになります。

司法委員

慌ただしい簡裁の民事の法廷に欠かせないのが司法委員しほういいんです。

司法委員制度というものがあり、健全な市民の常識と感覚及び社会常識を民事裁判に反映させることを趣旨とした制度です。

こちらも、簡易裁判所独特の制度です。

司法委員は民間の人で、和解の手伝いをしたり、事件に立会って意見を述べてくれる有識者の人です。

非常勤の裁判所職員なんですよ。

法律の知識の有無は関係ありません。普通の会社員、団体職員、不動産鑑定士とか、いろいろな職種の人がいます。

司法委員には、主に和解成立の手伝いをしてもらっていました。

法廷のバーの内側に座って待機していて、和解になりそうなら別室で和解の調整をしてもらいます。

そして和解が成立したら、法廷に戻ってきてもらって、法廷で原告被告双方と和解の内容を確認して、正式に和解成立になります。

司法委員にまかせる部分はとても多く、司法委員がいないとまわっていきません。

通常は、どの事件を担当するかはランダムなのですが、個別に事件を指定して立会をお願いすることもありました。

これは主に少額訴訟で多くお願いしていました。

少額訴訟はみんな同じテーブルにつくので、裁判官の隣で原告や被告の話を一緒に聞いて、どう解決していくか考えていましたね。

もし1回で終わらずに通常の裁判に移行したときも、その司法委員はその事件担当として、解決に関わっていました。

民事事件も見てみては?

傍聴しようと朝10時に裁判所に出かけて、民事事件を見ようという人はあまり多くないような気がします。

でも、裁判らしからぬ?雰囲気を見てみたい、という方は民事事件の裁判も見てみてはいかがでしょう。

確かに傍聴席が満席で、しかもほとんど事件関係者なので、入りづらいと思います。

逆に言えば、人の出入りが多くて誰も気にしていないので逆に入りやすい…?そんなわけなかろう

10時30分や11時頃になると入っている事件が少なくなるので、傍聴席も空いてきます。

もし簡裁の民事事件を見る機会があったら、一般人である許可代理人や、事務官、司法委員のことも見てみてはいかがでしょう。

傍聴席に座っていると高確率で事件関係者と勘違いされますけどね(^^)。

まとめ

地裁の縮小版か?と思いきや、簡裁だけの制度って意外とあります。

簡裁は、請求額が140万円以下の事件を扱っていて、おそらく一番身近な裁判所なのではないかなと思います。

なので、なるべく皆さんが使いやすくなるような制度が用意されているのではないでしょうか。

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