最高裁がビズリーチでデジタル人材を募集していました。募集期間は2022年1月18日~ 2022年2月14日でした。
裁判手続のデジタル化に向けた取り組みを進めるために、最高裁はデジタル人材を募集していました。
そして今年の4月1日から3人の高度デジタル人材が非常勤職員として採用されました。
去年も任期付きの職員が3人採用されていたようです。
なので、現在6人のデジタル人材の職員と裁判所のデジタル化の検討を進めていくことになったようです。
そしてもう一つ、去年の4月に最高裁判所に新しく「デジタル推進室」ができました。
私は執務室を見たことはないのですが、裁判所に似つかわしくない、フリーアドレスで紙の山がないそうです。フリーアドレスなんて10年前すでに民間企業で見たぞ。
そして、採用されたデジタル人材の職員の方が裁判所の現状について指摘されていました。
その指摘の中で印象に残ったことをいくつか書いてみます。
紙が多い
やはり言われた。
わかります。とってもわかります。何をするにも紙紙紙。そしてハンコ。前も書いたような。
嗚呼、紙の山に埋もれる裁判所職員よ。
電話が多い
何をするにも電話ですからね。チャット機能もないし…
電話って本当に作業が中断するからやめてほしいんですよねぇ。
でも、「電話してくる人も必要な情報にたどり着けないから電話してくる。」
と言われていて、確かに!と思いました。
裁判所のホームページに、申立てのためのひな型があるんですが、そこにたどり着きにくいんですよね。そうするに使いづらい。
そんで、書類揃えて出しに行ったら「これが足りないです」と言われ、そのひな型はホームページには載っていないという…( ゚皿゜#)
回覧を紙で回していたのには驚きました。
そうでしょうそうでしょう。
デジタル人材じゃなくてもびっくりするんじゃないですか?
私も採用されたころは、連絡事項とかはメールなんだろうなと思っていました。
そうしたら、なんと紙で回ってきました。
メールでも回ってくるけども、印刷してるんですよ。
なぜかというと。
あのねー、みんなメール見ないんですよ。
「メールで送ったよ」と言っても「え、見てない。いつ頃送った?」と言われる始末( ;∀;)
毎日大量のメールが来るから、埋もれるんですよね。そして見る側も、メールの量が多いから後回しになるんです。
でも、普段来ない人からメールが来ると「何だろう?」と思うみたいですね。
連絡メールを送ってくる人っていつも同じなので、スルーしてしまうんだと思います…
私が上司の代わりに出た会議の連絡事項を送ったら、割とみんな見てくれました。
私の渾身のメール読んでください!って一文添えておきました( ̄▽ ̄)
情報共有ツールがない
わかりますぅぅ~。
「予定や情報共有のツールがたくさんあるのに裁判所では使われていない。」
ほんとそう思います。
裁判官の予定なんて口頭で言われます。もしくはホワイトボードに書かれているものをチェックする。
ツールが使われていれば入力しておけば誰でも見れるのにな~。
情報共有のツールもあるにはあるのですが、使いにくいんですよね。
そんな難しい話でなくても、離席していたり離れた場所で喋られると連絡事項が聞こえなかったりするんですよ。
「え?そのレベル?」と思うかもしれませんが、そうなのです(´・ω・`)
私も何度も聞き逃してます。そして他の人に聞きに行くという。いいのかそれで。
あとは、
- せっかく他の職員が作った便利ツール(エクセル等で作ったもの)も、バージョンが変わったことで動かなくなる
- その職員が個人的に作ったものなので、どこを直せばいいのか分からない
- 使えなくなる
ということがありました。
とっっってももったいないと思います。
私はそのツールの恩恵を受けまくったので、どうにかして動かせないかと思ったのですが、無理でした…あれ、すごく時短になったのに…
そういう便利システム作ってほしいなぁ…それこそ効率化できて残業も減るのに…
論理的思考力が高い
良いことも書いておかないとね笑
あまり自覚はありませんが、こういう仕事をしていると自然と身について来るんでしょうか??
弁護士に説明(という名の説得)をするときも、「理論武装しないと…」と言って、文献調べたり、上司に相談したりする姿を見たことがあります。
それでなくても、裁判官に説明するときに、ぼやぼや~っとした説明ではいけませんからね。私は結構ぼやぼや~っとしています…
いろいろ書きましたけど、デジタル化、本当に頑張ってほしいです。
民事訴訟法の改正案も国会に提出される見込みなので、そこにも注目です。
心配事
現在進行中なのは民事訴訟で、「訴訟記録は原則電子化!」「書面をPDFで提出できるよ!」「電子データで管理だよ!」
と言われて真っ先に思ったのが、
「紙で見たいから印刷してくれ」
と言う裁判官が居そうだということ。
もしくは、自分で印刷して保存する人がいそう。
それを記録として裁判が終わるまで保存しそう。
でもね、分かるんですよ。紙だと一覧性もあるし、紙だと書き込みができるし。
タブレットだと書き込みもできる?
そんなもの配られるわけなかろうなのだ。
最後に
現在、控訴があったときは記録になっている書類一枚一枚にページ数を打ち直しています。
そして、その記録の内容をいろいろな人が点検しています。送る手段は宅配便です。
でも、電子データで管理するということは、記録の点検も電子データでやりとりすることになるんでしょうか。
そして高裁に送るときも電子データなので、ぽちっとボタン一つで送れるようになるのでしょうか。
今後どうなるか分かりませんが、デジタル化、本当に頑張ってほしいです。
コメント