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裁判官・書記官の法服

裁判所といえば黒い法服。

これに初めて袖を通したのは、初めて書記官として裁判に立会った日――

ではなく、和光の研修所での試着でした。

裁判所の法服

書記官になるための研修過程で、研修が終わりに近づいてくると、法服のサイズ選びがありました。

教室に見本が置かれ、大・中・小から選びます。

L・M・S じゃないんです。 大・中・小 です。

見本を試着しながら「ぴったりサイズがいいのか、大きめがいいのか」なんて、同じ研修生とあーだこーだ言いながら決めました。

なので、「初めての期日の立会いで、ドキドキしながら法服に袖を通す」なんてことは無いのです。

むしろ「忘れ物はないか。法廷でドタバタせずに無事期日を終えられるか。」そっちのほうがドキドキしました。

目次

そもそも法服ってどんなもの?

法服(ほうふく)とは、裁判官、検察官、弁護士、裁判所書記官、廷吏など、職務上法廷に立ち合う法曹関係者及び裁判所職員が法廷で着用する制服。 「法服」の色は黒と定められている。黒はどんな色にも染まることがないことから、裁判官の公正さを象徴している。

wikiより引用

本当は「職服」というらしいですが、みんな法服と呼んでいます。

ちなみに昔はこんな感じだったようです。

法服

これは「重要文化財 旧松本区裁判所庁舎」というところに展示されています。

昔の裁判制度を見られるし、裁判所に検事局が置かれていたり、なかなか面白い施設でした。

ここは博物館になっていて、昔の法廷の展示もあります。

法服

↑襟がオシャレですね。

写真に「現代の法服」が写っていますが、これは裁判官の法服です。

書記官の法服

↑これは昔の書記官の法服。

判事・検事・弁護士と比べて襟のデザインが控えめ。

今の法服にもこんな襟が付いてても良いなぁ、なんて思ったりもしましたが、それだと洗濯が大変かぁ。

旧法廷

話が逸れますが、判事と検事が同列で、弁護士が一段下に配置されているのが衝撃です。

やばいです。

*

話を戻して。

裁判官の法服はシルク、書記官の法服はポリエステル100%です。

デザインも裁判官と書記官とで違いがあるのは有名な話です。

裁判官の方がオシャレです。

昔は、法服は高島屋が作っていたんですよ~。

長いこと書記官をしている職員の法服は、ちゃんと高島屋のタグがありました。

なんとなく手触りもよかったです。

今はタグが付いていないので、どこが作っているのか分かりません。

ユニクロではないか、という説も。

法服は、両方にポケットがあるのですが、実は右はポケットじゃなくて穴が開いてるんです。

法服を着たまま自分の服にアクセスできるようになっています。

法服の管理

普段は各職員ロッカーに入っていて、たまに自宅に持ち帰って洗濯します。

人によると思いますが、あの法服、意外と洗濯してないんですよ。

だいたい、夏休みの年末年始などのまとまった休みがあるタイミングで、家に持ち帰っています。

結構かさばるんですよね。

書記官くま

服の上から着るからそんなに汚れてないでしょ!

「洗ったことない」と言った人も…洗おうよ。

洗濯ですが、クリーニングに出すと「コート」扱いになるらしいです。

私はそれを聞いて、「どうせポリエステルだし」ってことで、洗濯ネットに入れて自宅で洗っています。

期日に立会う部署にいる書記官は職員ロッカーに入れてありますが、法廷に入らない部署にいる書記官は、家で保管しています。

以前、裁判官の法服の裾がボロボロになっていて、総務課あたりに連絡したら、新しい法服が来ていました。

書記官もそうなったら新しい法服来るのかしら。

書記官くま

「管理が悪い」とか絶対言いわれそう。

暑くないの?

春夏秋冬、いつでもあの法服。

冬は暖かそうだけど、夏は暑くないの?

と疑問が湧くかもしれません。

夏はですね、冷房が効いている法廷は若干寒いので、冷房よけになってちょうどいいんです。

むしろ冬の方が暑い!

暖房が効きすぎてあっつい!

ちなみに、夏限定ですが、酷暑の場合は、裁判官の判断で、書記官が法服を着用せずに期日に立会うことができます。

実際に私がいた裁判所で、夏の時期に書記官が法服を着用せずに期日に立会っていました。

私は法服を着用せずに立会ったことはありません。

冷房が寒かったから!!

ちなみに、刑事事件の公判前整理手続では、法服を着る必要はありません。

ですが公判前整理手続は法廷で行うので、裁判官が法服を着ずに入ってくるのを見て、

書記官くま

あ、着なくてよかったんだった。忘れてた。

となります。

その場でいそいそと脱いでもよし、「まあいいか」とそのままにしてもよし。

法廷に行く=法服を着る。

もう癖ですね。

意外と奥深い法服

明治時代の話にまでなってしまいましたが、意外と奥深い法服。

法の日フェスタや模擬裁判などで法服着用体験などもやっているようです。

裁判官の法服と書記官の法服、結構デザインが違います。

手触りや袖口のデザイン、プリーツの量なんかは全然違います。

書記官くま

気になる方はぜひ見てみてね☆

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 初めまして!
    裁判所事務官のお仕事に興味を持ち、こちらのブログを読ませていただきました。

    既に書かれていたら申し訳ないのですがいくつかお聞きしたいことがあります。
    ①裁判部門と司法行政部門に別れると拝見しましたが、司法行政部門の場合はどこで働くのでしょうか?
    また、裁判部門、司法行政部門の希望は出すことが出来るのでしょうか?

    ②裁判部門に決定になれば、刑事・民事・家事・少年の4つの選択肢がありますが、これは配属された裁判所の種類によって、4つの中から部が決定するのでしょうか?それとも希望が出せるのでしょうか?

    よろしくお願いします!

    • コメントありがとうございます。

      >司法行政部門の場合はどこで働くのでしょうか?

      司法行政部門だと、主に事務局です。人事や総務、経理などの、ザ・事務職!という仕事です。
      人によっては採用先が最高裁の事務局ということもあります。

      採用面接の段階で、勤務地の希望を述べる機会はありますが、面接官にどう受け取られるかは保証できません。

      私の話ですが採用面接のときに、
      「裁判部門以外に事務局の仕事もあるけど、知ってる?」
      「必ずしも裁判部門に行けるわけじゃないけど良いの?」と聞かれて、「良いですよ」と答えました。

      合格後、任地が決まったあとにも面接がありますが、そこでもメインは勤務地の話で、具体的な部署の話にはならなかったです。

      部署の希望が出せるようになるのは、採用されたあとになります。
      年に1回、希望の仕事や勤務地について面談があるので、そこで具体的な希望を出すことになります。
      が!必ず希望が叶うかというと・・・。

      回答になっているか心配ですが、参考になりましたら幸いです。

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