自分が初めて裁判の傍聴をしたのは高校生の頃でした。
そのときは民事事件を傍聴したのですが、今考えると、とっつきやすいのは刑事事件だったなと思います。
なぜ民事事件を傍聴したのか今でも謎です。
たぶん初心者過ぎて、刑事・民事の裁判の進行の違いが分かっていなかったからだと思います。
開廷表の見方もよくわかっていませんでした。
開廷表の見方
ここからは刑事事件を前提にお話します。
開廷表とは、裁判所の入り口や法廷前に掲示されているものです。基本は紙ですが、東京のみ紙に加えてタブレットで見ることができます。
開廷表には、開始時間、終了時間、事件番号、被告(人)名、事件名、法廷番号、担当裁判官、立会書記官、担当部署、審理予定が書いてあります。
でも、これらを全部見る必要はなく、最低限見るところは、開始時間、終了時間、審理予定です。
「新件」となっている事件は、初めて審理される事件なので、起訴状が読まれます。起訴状の内容を聞けば、どんな事件を起こしたのか、裁判の大前提がわかるわけです。さらに、冒頭陳述もあるので、被告人の身上、経歴がわかります。
「審理」となっている事件は、前回の続きから始まるので、途中から見ても、よくわからないということがあります。
なので、「新件」で審理時間が「1時間」のものは、最初から最後まで事件を見ることができます。どんな事件を起こしたのか、被告人はどんな人物か、どうして罪を犯したのか等が1回の裁判で知ることができます。ただ、判決は別日になることが多いです。
被害者がいるような事件(窃盗や交通事故)は被害者やその家族の調書などが読み上げられることがあり、被害者の心情も知ることができます。
30分などの短い時間で「新件」となっているのは、1回では終わらず、証拠調べまでで終わるものがほとんどです。なので、事件の概要は知ることができますが、被告人の話を聞くことはできません。
ほかにも、2時間かかるものや午後いっぱい時間を使うような事件は、証人が呼ばれて証人尋問をしていることが多いので途中から見てもわからないし、被告人質問だったとしても、途中から見てもよくわからないことになると思います。見てても疲れると思いますし。
ちなみに、裁判の予定は急遽変わることがあります。
前の裁判が長引いて開始時間が遅れたり、急遽法廷を変更したりすることもあります。
そのときは、掲示した開廷表を差し替えるか、手書きで直すかをしていました。各場所に掲示した開廷表を修正するためにペン持って走りまわりましたねぇ( ̄▽ ̄)
傍聴の敷居は高くない
傍聴は基本、ふらっと来てふらっと帰る、そんなラフな感じで大丈夫です。
傍聴マニアの人はそんな感じです。初心者とマニアを一緒にしてどうする。
ただ、有名な事件になると傍聴券が必要です。たまにテレビで長蛇の列を作っているのを見ますね。
傍聴券配布情報も裁判所のHPに載っています。それ以外の事件は、出入り自由です。
ただ、傍聴券を配っていなくても、事件によっては傍聴席が満席になっていることがあります。
傍聴は立ち見はできないので、席が空いていなければ見ることはできません。
ちなみに、傍聴人が多いと、書記官としては「傍聴席が埋まるー!」と若干焦って、書記官室に連絡して傍聴人の交通整理をしてもらっていました。
法廷内での禁止事項は、裁判所ホームページや法廷前に書いてありますが、録音や撮影、私語などは禁止です。
居眠りもダメです。
帽子は脱いでくださいと言われます。服装は、普段着で全然問題ありません。
録音や撮影はもってのほかですが、携帯をいじっていたり、私語や居眠りは、程度によっては裁判官から注意されたり、最悪、退廷命令がでることがあります。
たまに被告人と傍聴人が家族で、子連れのときに子供がぐずることがあります。
さすがにそこですぐに退廷命令までは出ないと思いますが、注意はされると思います。
ですが、裁判官もどうしようか悩むことがあるようで、私が立会った裁判で、赤ちゃんがあうあう言っていたことがあります。それもそこそこ長い時間。
両親も、あやしたり静かにとういうジェスチャーをしていましたが、静かにならないので「そろそろ裁判官から注意が飛ぶんじゃないかなぁぁぁ…」とハラハラしていました。
ですが、結果として何もありませんでした。
あとで裁判官に聞いたら、裁判官も「注意するか悩んだ」と言っていました。
一方で、中学生の3人組が私語をしていて、1度注意され、2度目で退廷命令が出ていたこともあるようです。これは先ほどとは別の裁判官です。ちなみにこれは私が立会っていた事件ではありません。
なので、裁判官によっても違いますね。
まとめ
初めての人は法廷に入るだけでも緊張するかもしれませんが、法廷前の注意書きを守って、静かにしていれば難しいことはありません。
それでも傍聴するのにためらいがあるという方のために、複数人で傍聴するというやり方があります。
それについては、次回の記事でお話します。
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