前回、初めての傍聴という記事を書きましたが、初めて、しかも一人で裁判所へ行くのは緊張しますよね。何かお作法があるのかとか、裁判所に行ったはいいけど、何を見たらいいのかわからない。そんな方は、複数人で傍聴に参加してみてはいかがでしょうか。
複数人での傍聴の仕方にはまず、裁判所などが主催する傍聴会と、自分で仲間を誘って裁判所に傍聴を申し込むというやり方があります。
傍聴会への参加
裁判所には、定期的に傍聴会に参加する人を募集している裁判所もあります。私が把握している限りですが、横浜地方裁判所は、月に1回、刑事裁判傍聴会を行っています。
そういった裁判所が定期的に開催している傍聴会などでは、一人でも申し込むことができます。
裁判官の質疑応答もセットになっており、裁判が終わって関係者が退席したあとに、裁判官が法壇から降りてきて質問に答えてくれます。
また、法壇に上がることもでき、裁判官席に座ったりすることもできます。
小学生対象の傍聴会や、中学生、高校生を対象とした傍聴会も行っている裁判所がありますので、裁判所HPで確認してみるといいかもしれません。
また、傍聴会を定期的にやっていなくても、例年、5月の憲法週間や10月の法の日週間などには、何かしらのイベントをやっているので、そういうのに参加するのも良いでしょう。
ただし、大体のイベントは募集制なので、4月や9月のはじめくらいにはHPなどをチェックする必要があるでしょう。
団体傍聴
傍聴会はやっていなくても、団体傍聴を受け付けている裁判所はたくさんあります。
団体傍聴は、自分たちで人を集めて、あらかじめ傍聴を申し込んでおくやり方です。
私がいた裁判所は、裁判所主催の傍聴会はなかったのですが、団体傍聴はよく受け付けていました。実際、総務課の広報係から「団体傍聴するのに適した事件ないですかー」と定期的に照会が来ていました。
「適した」というのは、例えば前回の記事で書いたような、初めての人でも理解しやすい事件のことです。
裁判所によって最低人数が違うので、これも裁判所のHPで見てみると良いでしょう。しかし、団体といっても先生一人と生徒3人という少ない人数でも、団体傍聴扱いとして広報係から照会がきていました。
なので、最低人数を満たしていなくても、学校関係や教育目的の場合によっては対応してくれるかもしれません。
団体傍聴だと、裁判所主催の傍聴会のように裁判後の質疑応答が確約されているわけではありませんが、質疑応答の希望の有無も書記官に連絡があるので、一応希望は出せるようですね。
ですが、質疑応答は必要ありませんと言っていても、時間があるからどうぞ、と裁判官が質疑応答に応じてくれる場合もあります。
ただ、裁判の時間が伸びて時間が押していたり、次の裁判が入っていたりすると応じられないこともあります。
また、傍聴席を確保するわけでもないので、人数次第では、人数を分けたり、場合によっては見られないこともあります。
そういった団体傍聴で、一度だけ検察官も付き合ってくれたことがありました。事前に団体傍聴ですと一言伝えてあっただけで、お願いしたわけではないのですが、お付き合いしてくれました。あれは珍しかったですね。
質疑応答のときは書記官も一緒にいるのですが、基本的に質問されるのは裁判官なので、書記官は黙っています。
私が団体傍聴の事件に立会ったときには、質疑応答を耳で聞きつつ、立会ったばかりの事件の調書を作っていたのですが、一度だけ裁判官に話題を振られたことがあって焦りました。心の準備が!(⊙ω⊙)ちなみに話題の内容はワスレマシタ。
団体傍聴は、一般個人だけではなく、警察学校の警察官、手話通訳人、中学生の社会科見学など、いろいろな人が来ていました。
警察学校の人達は、警察学校の教官と思われる人に引率されて、ピシッとスーツを着てぞろぞろと傍聴席に入ってくるんですよね。
そんな人たちがたくさん傍聴席に座っていると、こちらも少し緊張しました。そういう人たちって珍しいので(;^ω^)
まとめ
このような傍聴会や、団体傍聴のほかにも、弁護士会が主催している刑事裁判傍聴会もあるので、そちらからでも刑事裁判を傍聴することができます。
一人でいきなり裁判所に行くのは気が引ける、という方は、以上のような手段もあります。弁護士会もそういった企画を行っているので、一度HPを覗いてみてはいかがでしょう。
一度来てしまえば、こんなもんかーという感じになりますよ。
次回は、私が初めて傍聴に行ったときのことをお話します。
コメント
コメント一覧 (2件)
こんにちは。法学部2年生の者です。
法学の授業になかなか興味を持てていないので、「実際の姿を見て法律を勉強する気になろう」と思い、最近東京地裁に傍聴に行きました。
主に刑事裁判を傍聴していると、被告人質問や証人尋問を見ることができました。
被告人やその両親が、罪を犯した経緯・生い立ちなどを詳しく語っているのを見ていると、ドラマよりも複雑な現実があると感じました(ありきたりな感想ですが)。
地下通路でつながっている、東京簡裁民事部も見に行ったのですが、法廷がまるいテーブルで随分雰囲気が違いました。時間帯のせいか、開かれている法廷が少なく、あまり傍聴する人もいませんでした。裁判で一番典型的なのは簡裁の民事のはず(?)なのに、不思議でした。
書記官の人から裁判を見ると、きっと違って見えるのでしょうね。次の記事も楽しみにしています!
コメントありがとうございます。
わかります。大学での授業ってなかなか頭に入りませんよね。ナントカ説とかナントカ説を延々と…
私も公務員試験の勉強を始めて、法律ってこういうものなんだーと思ったものです。
不定期更新なブログですが、これからもよろしくお願いします(*’ω’*)